ウーバーイーツで配達パートナーになると自分で税金を納めないといけません。
今回はウーバーイーツで配達する際に知っておくべき税金の話をまとめました。
「そんなの義務って言われても知らん」では済まされません。
ウーバーは会社に雇われるアルバイトとは異なります。
また、
少しでも税金の額を少なくする方法も知っておく必要があります。
そのために、私が何をしているかもご紹介します。
メモ
私は税金の専門家ではありませんが、自分の会社の法人税の申告をしていますのである程度の税の知識はあります。また、労働法・社会保険の専門家である社会保険労務士の資格も持っているのでその周辺にある税に関しても勉強しています。
ウーバーの配達パートナーでなぜ確定申告をするのか
ウーバーの配達パートナーは従業員でなく社長である
まず、前提の確認をしましょう。
私たちウーバーイーツの配達パートナーはウーバーに雇われているわけではありません。
ウーバーが受注した料理の「配送」という仕事だけを配達パートナーに請け負わせて(業務委託)います。
ウーバーと私たちは対等のビジネスパートナーという立場。
だから、私たちは各自が「社長」なわけです。
硬い言い方では「個人事業主」と呼びます。
一人一人が配達という事業を行う主(あるじ)です。
で、この事業で儲ければ、どう儲かったのかを自分で申告して自分で税を納める義務が生じます。
これは事業主の義務なんです。
1月から12月までの1年の単位で集計して翌年3月中旬の期限までに申告する。
これが確定申告というものです。
メモ
反対に「従業員(労働者)」という位置づけになると、対等のパートナーではなく「会社と労働者」という関係になります。労働者は働く時間や場所の拘束を受け会社の命令に従う上下関係となります。こうなると労働者は立場が弱いため労働法で守られるわけです。
ウーバーからも確定申告のメールがやってくる
”確定申告してください”
最初の登録時のパートナーセンターでも言われますし、定期的にウーバーからやってくるメールでも注意喚起がされます。
こんなことが書かれています。
配達パートナーの方は事業主として配達を行うことになります。特に、個人の配達パートナーについては、Uberの従業員ではないため、Uberからの所得は給与所得としては取り扱われません。
上で説明したとおり、われわれ配達パートナーは事業主であり、従業員ではないことがメールにも書かれています。
ここで、
仮にウーバーに雇われる従業員(労働者)となると、給与をもらうことになります。
同じお金でも呼び方が違います。
社長として仕事請け負いの報酬をもらうのと、従業員として給与をもらうのとでは大きく違います。
給与としてもらう場合の一番大きな違いは、会社が税金の手続きをしてくれるという点です。
従業員に給与を支払う際に税金の計算をして天引きし、残りを従業員に払います。
会社は天引きした税金を従業員に代わって納税します。
社長になると、こういうわけにはいきません。
全て自分で税の計算をして、自分で納めないといけなくなるんです。
したがって、事業主として所得に関連する全ての税金について申告及び納付の義務があります。配達をすることによって受け取る収入は、そのサービスを依頼したレストランから支払われています。
メールにも申告と納税の義務が書かれています。
ウーバーイーツの収入は「事業所得」になる
事業所得?雑所得?どっち?
税金と書いていますが、納める税金は正確には「所得税」です。
さらに具体的には、ウーバーイーツでの所得は「事業所得」です。
(ちなみに、従業員として雇われていると「給与所得」となり、計算やら何やら全てが異なります)
Uberでは、配達パートナーである個人事業主の所得は事業所得又は雑所得に該当すると理解しておりますが、個人事業主の税務上の取り扱いの詳細については最寄りの税務署又は顧問税理士にご確認ください。
ここでメールでは「事業所得又は雑所得に該当すると理解」とあります。
一体どっちなんだ?と疑問に思いますが、配達を本格的にやるなら「事業所得」です。
事業とは、「反復・継続・独立」して行うものだそうで。
私は100万円稼ぐために反復して継続して独立してウーバーイーツをやってますから事業所得で申告納税するつもりです(申告納税したらまた別のコラムでまとめます)。
メモ
反対に「雑所得」は事業所得とは言えない「単発での仕事による所得」というイメージです。ですのでウーバーイーツを本格的にやるなら事業所得という理解です。
そもそも「所得」って何さ
所得に所得税率を掛け算すると、所得税が計算できます。
そして、その税額を納めます。
ウーバーイーツで配達をすると毎週売上からウーバーへの手数料を除いた金額が送金されます。
ここで注意したいのが、
ウーバーから受け取った金額全体に税率を掛けるわけではありません。
ウーバーで稼ぐためには自転車を用意しなければいけませんし、スマホで配達リクエストを受けるのでその通信費もかかります。
これら売上をあげるために、仕方なく使ったお金(これを「必要経費」という)を引いて残ったものが「所得」となるわけです。
事業所得は売上から必要経費を除いたもの
”確定申告せよ”
とはつまり、
”ウーバーでの年間の売上を集計して、事業所得として申告して納税せよ”
となります。
やるべきことは「事業所得を計算すればいい」ということになります。
事業所得の計算はシンプルです。
収入 ー 必要経費 = 事業所得
私が自転車でウーバーイーツの配達をする場合、
ウーバーイーツによる売上 ー 必要経費(レンタル自転車・配達エリアまでの交通費・スマホでの通信など) = 事業所得
という具合。
何が必要経費になるか
私は自転車をレンタルして毎月の費用がかかりますが、人によって自分で持っている自転車を使う。
つまり、
必要経費は人によって異なりますよね。
実は、法律でズバッと「必要経費はこれだ!」って書かれていないので、のちのち税務署の指摘でこれは必要経費でないと指摘されることもあります。
「税務当局との見解の相違があったが、修正申告に応じた」
なんて報道されるこことがありますが、必要経費の解釈の違いっていうのは常に問題になるようです。
税務署から「これは必要経費ではない!」と指摘されないために大事なこと。
それは、その支払いがウーバーイーツの仕事に関係してなおかつ妥当な金額であると合理的に説明できることです。
合理的とは、誰が見ても「そりゃ、必要だよね」という客観性と「それは妥当な額だよね」という相当性があること。これなら税務署も納得します。
だから、
レシートや領収証を保管して、合理的に説明するための資料とするわけです。
私の場合は必要経費は全てクレジットカードで決済しています。
クレジットカードの明細は合理的な説明をするための資料になります。
また、
必要経費の考え方はこちらが参考になると思うのでシェアします。
雑所得は経費計上できる?副業で経費が認められる条件と経費の具体例について解説 | 経営者から担当者にまで役立つバックオフィス基礎知識 | クラウド会計ソフト freee
副業でも雑所得・事業所得・不動産所得に該当する場合は経費計上が可能です。本記事では、副業で経費計上が認められる具体例や証拠書類の保管期間、確定申告時のポイントについて解説します。
続きを見る
ここまでを一旦まとめましょう。
- ウーバーイーツの配達パートナーは事業主なので個人事業による確定申告が必要
- 確定申告ですべきことは「ウーバーの年間の売上を集計して、事業所得として申告して納税」すること
- 事業所得は「ウーバーの売上から必要経費を引いた残り」
(下に続きます)
税金を安くする方法はないか?
ウーバーイーツで配達するなら青色申告か
ここで、
事業所得の考えをおさらいします。
収入 ー 必要経費 = 事業所得
つまり、この計算式を見ると、
必要経費が多ければ多いほど所得が少なくなり、納める税金も少なくなるわけです。
ただ、
ウーバーイーツで配達しても必要経費ってほとんど無いと思うんです。
私の場合、毎月必ず支払うものはレンタル自転車の利用料とスマホの通信量くらい。
あとは配達バッグと体1つあればいいわけで(だからウーバーでの配達は気楽にできるわけですが・・)
そこで考えたいのが青色申告。
青と白の2種類の申告形式があるんですが、細かいことはさておいて、青色の方が必要経費の限界を超えた節税ができるというメリットがあります。
具体的には、
収入 ー 必要経費 ー 青色申告による減額分 = 課税対象となる事業所得
この青色申告による減額分は最大65万円。
単に申告形式に青を選ぶだけで所得を圧縮してくれるんです。
具体的に、青色申告と白色申告でどう違うのか、シミュレーションできるサイトがあります。
ウーバーからのメールにも紹介されています。
また、弊社提携のマネーフォワード様の配達パートナー向けページ 及び freee様の税額診断ページにも役立つ税務情報をまとめてありますので、ご活用ください。
私は本業では freeeを使っていますので、税額診断ページで確認してみました。
https://www.freee.co.jp/kojin/fukugyou/tax-simulation/worker.html
続きを見る
- 本業の会社員としての年収:500万円
- ウーバーイーツの年商:120万円(月に10万円売上げ見込み)
- ウーバーイーツでの年間経費:12万(経費は月の売上の10%の見込み)
- 養っている家族がいない
- 医療費が多い場合の節税策やふるさと納税の節税策を使わない
すると、青色申告にした方が18万円も得だということが判明。
というわけで、確定申告は青色申告で行うことを決意しました。
メモ
表の中に「個人事業税」とありますが、所得について国に納める税金が所得税、都道府県に納めるのが事業税と住民税。事業税は290万円を超えた所得に課税されるのでこのシミュレーションではゼロとなっています。
ただ・・・・。
事前にやっておくべき手続きがあるんです。
次回以降のコラムでは、ウーバーイーツの配達パートナーが青色申告をする場合にやっておくべき手続きをご紹介します。
ウーバーイーツを始める前にあらかじめ知っておきたい税金まとめ
配達パートナーは事業所得の申告納税が必要である
- ウーバーイーツの配達パートナーは事業主なので個人事業による確定申告が必要
- 事業所得は「ウーバーの売上 ー 必要経費」で計算される
- 事業所得を青色申告ですれば節税となる
今回のコラムでウーバーイーツで稼ぐと確定申告が必要だということがわかりました。
「確定申告」って聞くとハードルが高そうなイメージがあります。
実はやってみるとそんな大したことはありません。
今はネット上で簡単にできるツールやサービスもありますし。
ただ、
個人の事業所得を申告するのは実は今回初めてでして、これからも勉強しながら記録に残していきたいと思っています。
次回は、青色申告をする上で避けて通れない事前の手続き。
簡単に届出書類を作れるサービスを使ってみたので画面をお見せしながら紹介していきます。
お楽しみに。
その他の参考にしたページ
副業で得た収入の所得税はいくらになる?所得税の計算・納付方法について解説 | 経営者から担当者にまで役立つバックオフィス基礎知識 | クラウド会計ソフト freee
会社員が勤め先からの収入以外に副業で報酬を得ている場合、その金額に応じて所得税を支払う必要があります。本記事では、副業所得の主な種類と所得税の計算・納付方法について解説します。
続きを見る
副業で個人事業主になる目安やメリットは?注意点や手続きもあわせて解説 | 経営者から担当者にまで役立つバックオフィス基礎知識 | クラウド会計ソフト freee
会社員が副業で個人事業主になることは可能です。副業収入が20万円を超えたり、副業に係る労働時間が増えてきたりしたら個人事業主になることを検討しましょう。本記事では、副業で個人事業主になるメリットや必要 ...
続きを見る